<archive>「ブルースにとりつかれて Vol.19」 パンフレット

 ついに来るべき時が来た。「ブルースにとりつかれて」もVOL.19で終わる事になった。何事も始まりがあれば、終わりがある。
 その理由は鮎川誠自身が語るローリング・ストーンズの曲「19回目の神経衰弱」をもじった<5>の「19TH NERVOUS BREAKDOWN」に明らかにされている。よく読んで欲しい。われわれの続けたい気持ちとこれ以上は難しいという気持ちの葛藤、ディレンマ。

 それにもうひとつの理由。それはサンハウスが1974年6月のトランザムとの「ファースト・ステップ・コンサート」のツアーの縁で、プロデューサー、ジョニー野村に気に入られ、レコーディングの話が持ち上がった。鮎川誠は何よりも本来の仕事、バンドの活動が重要な時期にさしかかった。レパートリーの完成度を高めるためのリハーサル、新曲の作曲とアレンジ、地元でのライヴの企画と、サンハウスとその周辺は非常に慌ただしくなった。

 わたしもぱわあはうすを離れていたし、ぱわあはうす自体も店の方向性に変化を見せていた。(松本康の「ナッシン・バット・ザ・ブルース」に詳しい)「ブルースにとりつかれて」も当時思いつくブルースのほとんどの題材に取り組み終えていたので、皆の中にもうある程度、達成してしまったという気持ちもあった。それにしても、19回ほとんど休まず、1年8ヶ月(一回だけ延期)、毎月続けられて来たのは、皆のブルースをもっと知りたいという渇望のなせる業だった。

 鮎川誠はその後もサンハウスとして、あるいはシーナ&ザ・ロケッツで、事あるごとにブルースの魅力を伝え続けている。その精神を受け継いだ私、松本康は1977年にジューク・レコードを開き、ブルースとその周辺の音楽やロックを大きな柱にして、レコードのセレクションを構成していって、現在に至っている。他にもロケット副島やスリーピー・ジュン小貫や吉田英樹たちが、ジューク・ジョイントで、不定期に「BLUES AFTER HOURS」というイヴェント(DJイヴェントやライヴ)を催したりで、「ブルースにとりつかれて」の火は点され続けている。

 淋しい事に最終回となったVOL.19の対象は「WEST COAST BLUES」。昨今ならこの「西海岸ブルース」はシカゴ・ブルースに次ぐぐらいの優先順位があるのだが、当時は全くと言っていいほどこの系統のレコードが無かった。ブルース史上の最重要人物の一人、Tボーン・ウォーカーのブラック&ホワイト(Black & White)やインペリアル(Imperial)を原盤としたレコードもなかったり、西海岸最高のインディーズ、スペシャルティー(Specialty)の音源も断片的にしかなかった。それでも核心は突いていると思う。有終の美。

 表紙と<4><5>は鮎川誠、<1>は松本康、<2>はむしやまちょうたろう(上田恭一郎)、<3>はflower childとなっているが誰だか思い出せない。繰り返すけど、鮎川誠の<5>の「19TH NERVOUS BREAKDOWN」をしっかり読んで、われわれの心情を察して欲しい。

 なお14ページに、VOL.20として、次回に「総集編」を開くとの予告がなされているが、サンハウスの風雲急を告げる状況から、結局開催されなかった。松本の運命のナンバー「19」で、「ブルースにとりつかれて」は終わった。しかし、時を隔てた2004年の11月に、ジューク・ジョイントで、松本康がホストになり、鮎川誠、シーナ、渡辺信之を迎え、「ブルースにとりつかれて」が一夜だけ復活した事がある。この時はMP3化した鮎川誠のライブラリーから、その場に応じてかけるというものだった。場内はもちろん満席、擬似的ではあるが、当時のぱわあはうすの様相が再現された。この時は、急な準備だったので、小冊子は作られていない。いつか往時のように用意周到に選曲し、小冊子もしっかり作って、「ブルースにとりつかれて」VOL.20「総集編」を開催してみたい、遠からぬ将来に。

 まだ、時期は確定してないが、嬉しいことに、「ブルースにとりつかれて」のパンフレットがデジタル・テキスト化されるプロジェクトが進行していて、その現代版が公開されようとしている。フェイス・ブック上で鮎川誠によって呼びかけられ、それに反応してくれた有志で徐々にテキスト化されている。それを松本康が校正し、今回のプルジェクト・リーダー(後日、スタッフ全員ともども氏名を公開)が形を整えて、インターネット上でアーカイヴとして残そうというものである。乞うご期待! Rock bands will come, Rock bands will go, but Rock ‘N Roll will go on forever. (by Ray ‘The Kink’ Davies)
 
 
 
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・ブルースにとりつかれて Vol.19 page-1

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・ブルースにとりつかれて Vol.19 page-2
 
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・ブルースにとりつかれて Vol.19 page-3
 
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・ブルースにとりつかれて Vol.19 page-4
 
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・ブルースにとりつかれて Vol.19 page-5
 
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・ブルースにとりつかれて Vol.19 page-6
 
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・ブルースにとりつかれて Vol.19 page-7
 
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・ブルースにとりつかれて Vol.19 page-8
 
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・ブルースにとりつかれて Vol.19 page-9
 
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・ブルースにとりつかれて Vol.19 page-10
 
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・ブルースにとりつかれて Vol.19 page-11
 
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・ブルースにとりつかれて Vol.19 page-12
 
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・ブルースにとりつかれて Vol.19 page-13
 
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・ブルースにとりつかれて Vol.19 page-14
 
 
 
2013.9.2
ーーーー追加アーカイブーーーー
「ブルースにとりつかれて」(パラダイスへの道バージョン)
 オムニバス大著『パラダイスへの道』(1990年出版)に収録された際に、トランスレート/再編成されたものの一部です。
オリジナル版の、見えにくい部分等を補強するためのもので、手書き表や、イラストなどはオリジナル版をご覧ください。

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「ブルースにとりつかれて」(パラダイスへの道バージョン) page-201

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「ブルースにとりつかれて」(パラダイスへの道バージョン) page-202
 
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「ブルースにとりつかれて」(パラダイスへの道バージョン) page-203

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